DOPN(Dynamic Optical Path Network:ダイナミック光パスネットワーク)は、あらかじめ通信したい2点間に光伝送ルートを確立し、一連の通信中はそれを使い続ける通信ネットワークです。これに対して従来広く用いられているIP伝送は、情報を小さなパケットに分割して送出し、途中の電子ルータでパケットごとにどのルートに転送するかを判断しています。IPネットワークは電子メールやWeb閲覧などには向いていますが、4K/8K高精細映像など大容量データに対しては以下のように電力の浪費が生じます。
近年、通信ネットワークのトラフィックは急激な勢いで増大しており、さらに、ネットワークで配信される映像コンテンツはこの勢いをますます加速しています。現在のネットワークは、トラフィック粒度に比例して電力消費量が増加する電子ルーターや電気スイッチを介しているため、電力消費量の観点から、近い将来のトラフィック粒度の爆発的な増大を維持していくことが難しくなります。
一方、DOPNは、電力消費量がトラフィック粒度に依存しない、光スイッチが主役の新しいネットワーク技術です。新たに産総研が開発したシリコンフォトニクス光スイッチなどでネットワークを構成するとともに、光パスが最適になるように光スイッチを制御し、テラビット毎秒級の超大容量情報の光伝送を実現します。
DOPNによって、どんなプロトコルの超大容量情報でも、リアルタイムかつ超低消費電力で伝送することが可能になります。