光伝送を身近なものにしたい、4K/8K高精細映像をゼロ遅延で双方向伝送して遠隔地が目の前にある世界が実現できる!
という私共の想いを実現する機器・システムを提供しています。
この項では8K解像度すなわち横7,680X縦4,320画素の映像を双方向に送るトランシーバについて述べます。
4Kテレセッションではセットトップボックスと命名しましたが、トランシーバは送信機+受信機であり同義語です。

このトランシーバも低遅延・ゼロ遅延を実現するために高精細映像を非圧縮伝送します。
解像度は7,680X4,320画素、フレームレートは60Hz、色に関しては4:2:2としました。
フルスペック4:4:4では映像インタフェースを12G-SDI(4本)とできないため、致し方ないところです。

装置の外観写真を示します。

2台を遠隔地で対向するようにした内部構成図は次のとおりです。

ちょっと複雑ですが、1点鎖線の中がそれぞれの地点の8Kトランシーバ(8Kセットトップボックス)で地点Aと地点Bに設置されていて、その間をダークファイバなどの2本の光回線で接続します。各トランシーバは8Kの映像入力(12G-SDI4本)を光に変換する送信部と、光信号を8Kの映像出力(12G-SDI4本)に変換する受信部から構成されます。
各SDI光変換出力は異なる波長(λ1~λ4)であり、それを光多重器すなわちマルチプレクサ(Multiplexer)で一つの光ファイバに波長多重します。必要に応じ光増幅器(EDFA)を介して光回線側に出力します。
それた到達した地点では光多重分離器すなわちデマルチプレクサ(Demultiplexer)で各波長(λ1~λ4)の信号を分離し、光SDI変換部で12G-SDI信号4本にし、映像電気信号出力とします。音声に関しては送り側のSDI信号に重畳されていればそのまま伝送できます。装置の詳細については製品の項をご参照ください。

さらにオプション機能として、送信側の光多重器にて他の波長を重畳し、受信側の多重分離器でそれを取り出すことが可能です。
ここに他の映像信号やイーサネット信号を印加して、8K映像を双方向伝送しながら同時にそれらを利用することも可能です。
先に示した写真ではBNCコネクタが多数出ていますが、3G-SDI入出力を重畳しています。
波長多重にはDWDM(Dense Wavelength Multiplexing)の波長を使用していますので、このようなことが可能となります。

DWDM技術は1本のファイバに数十~100波長もの光信号を重畳することができるもので、一般にはインターネットのバックボーンに使われるものです。
DWDM技術は一般的には利用するのにハードルが高いものではありますが、弊社では用途を絞って簡便にお使いいただけるようにしました。
「光技術をもっと身近にする」という私共の取り組みの一つです。

このような装置・取り組みに、ご興味ございましたら是非ともご連絡ください。