一般に専用線というとビットレートが明示されたイーサネットを前提とした接続が多いですが、ここではさらに自由度のある光ファイバ専用線 (ダークファイバ) もご紹介します。

基本的サービスとしては、お客様ご指定の2地点間を光ファイバで接続します。お客様のご要望で当社が新規に光ファイバを敷設するのではなく、大手通信キャリアなどがすでに市中に敷設していて未使用のファイバを利用します。太い1本(1条)のケーブルに数百~数千本の光ファイバが束ねられており、このうち未使用のファイバ(光が入っておらず暗いのでダークファイバと呼ばれる)を必要なルートに従って当社が選択して、接続の手続きを行いご要求の地点間を接続します。たいていお客様のビルの建屋内のMDFもしくはPDと呼ばれる光配線盤までは既に多数の光ファイバが来ていて、そのうち使用していないものを利用します。そこからご使用になる部屋までは、既設配線がなければお客様ビル内の光ファイバ敷設工事を行います。
概略を図に示します。

お客様サイトAのビルと大手通信事業者の収容局ビル(いわゆる電話局) とはアクセスファイバ (加入ダークファイバ、加入ダークとも呼ばれます) にて接続されています。
お客様サイトBについても大手通信事業者の収容局ビルとはアクセスファイバで接続されています。
そして収容局どうしは中継光ファイバ (中継ダークファイバ、中継ダークとも呼ばれます) といくつかの中継局 (上図では1つの中継局) を介して接続されます。
複雑になるので図示していませんが、各電話局の中で所望の接続をするため、局内伝送路と呼ばれる短い光ファイバで配線を行います。
当社がたくさんあるルートの中から最適な選択をし、その接続となるように所定の手続きを行い、お客様サイトで回線を開通させます。
また、お客様ビル内の工事に関しても必要に応じて当社が協力会社とともに行います。
このようにして、お客様のご所望の2地点間の接続を確保いたします。

なお、例えば100Gbpsのイーサネット回線として利用したいなど、イーサネットでのご使用だけが前提の場合には、適切な機器で終端してお客様とのインタフェースをイーサネットで行うことも可能です。学術ネットワークであるSINETとの接続する場合は、上記のサイトBがSINETのアクセスポイントであるデータセンタとなり、通常イーサネットで終端します。ケースバイケースですが、SINETの接続条件にあうようにメディアコンバータをSINETデータセンタ側に設置します。

途中に使用する中継光ファイバは、いろいろな通信事業者(電力会社系通信会社様、電鉄系通信部門様、ケーブルテレビ様ほか) の所有のものを使う場合もあります。
また、途中に機器を置きたい (光増幅のための光アンプ、光経路切替のための光スイッチほか) という場合には大手通信事業者の局舎内にコロケーションをして通信ラックをたて、そこに所望の機器を設置する場合もあります。

なお、いずれにせよ大手通信事業者とは所定の契約が必要で、だれでも上記の作業ができるわけではありません。ダークファイバ接続もしくはイーサネット専用線の光ファイバ回線をお考えの場合には当社営業窓口もしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。