当社の3つのビジネス領域を図に示しました。
1. 光ファイバ専用線に関して、「インターネットでは帯域や速度が足りない」「もっと大容量かつ低遅延のネットワークがほしい」という場合には専用線を利用することになります。それにもいろいろなレベルがありますが、「イーサネットしか利用しない」のか「もっと自由に使いたい、イーサネット以外のプロトコルも流す」のかの選択があります。一般にXX[Mbps]、XX[Gbps]の専用線というとイーサネットを前提とした専用線です。一方後者はファイバそのもので伝送サービスを提供するもので、ビットレートの制限はありません。制限がでるのは使用機器に何を用意するかであり、必要以上に大容量の機器を用意すると無駄になってしまいます。
後者の説明をもう少し続けます。お客様のご要望で当社が光ファイバを新規敷設するのではなく、大手通信キャリアなどがすでに市中に敷設していて未使用であるファイバを利用します。太い1本(1条)のケーブルに数百~数千本の光ファイバが束ねられており、このうち未使用のファイバ(光が入っておらず暗いのでダークファイバと呼ばれる)を必要なルートに沿って選択してご要求の地点間を接続します。たいていお客様のビルの建屋内まではファイバが来ているので、そこからご使用になる部屋まではビル内工事が必要となります。
さらに、遠隔地間で双方向の高精細映像の伝送をゼロ遅延で実現するソリューションがテレセッションです。映像の解像度を上げかつ、映像伝送の遅延がないことは非常に重要なポイントであります。「ゼロ遅延」とは映像を光の速さで伝送するため、その遅延時間は実質ゼロ、伝送に関わる機器の遅延も実質ゼロ、あとはビデオカメラやビデオモニタといった映像機器の処理遅延だけとなります。詳しくはテレセッションの項でご説明いたします。従来はネットワークで繋がることが貴重だった、映像を送ることができて嬉しかったわけですが、今や4K・8Kといった高精細の映像を遅延なく送ることのニーズが高まってきています。遠隔地と活き活きとコミュニケーションする、現場を遅延なくモニタして遠隔地から操作するなど、今まではできないとあきらめていたことが実現できるのです。
さらに、VR/AR/MRなどの世界でも、遅延ない映像伝送が新しい領域を開拓できると考えます。
さて、「遅延なく」と言っても、いくつかのレベルがあり、そのための接続方法も様々な形態があります。お客様のご要望に応じた接続ソリューションをご提供することが可能です。
2. 光送受信ユニットなどに関しては、伝送するのが映像であればテレセッション機器をご用意します。また同じファイバでイーサネットのデータを重畳して送りたいという場合にはそれに適した機器をご用意します。波長多重技術を用いると、1本のファイバに多数の情報を載せることが可能です。各研究機関はどれだけ多くの情報を載せられるか競い合い数10テラbps、テラはギガの1000倍ですので途方もなくたくさんの情報を光ファイバに載せることが可能になってきています。最先端の競争はともかくとして長年培われてきた技術を使えば、ファイバを有効利用することが可能となります。詳細は別ページに書きましたが、これを実現する機器を提供いたします。
機器としては当社独自の機器もございますし、市場に適切な機器があればそれを利用します。市販機器やモジュールだけで構成できる場合も少なからずありますが、光通信には様々なパラメータがあり、当社の経験を活かしてお客様のご要求にマッチしたご提案を差し上げたいと思います。
機器だけをご提供する場合もございますし、上記光ファイバ専用線で必要となるものをシステム全体として最適なものを選択しご利用いただく場合もございます。
テレセッションの「ゼロ遅延」の技術を応用した劇場内モニタも、伝送のための遅延時間は著しく小さく無視できます。さらに速い応答がほしければフレームレートを高くする、例えば120フレーム毎秒のシステムにすると、旧来のアナログ機器に匹敵するほどの超々低遅延が実現できます。もちろん劇場に限らず広くモニタリングの用途にお使いいただけます。
さて、上記テレセッションでは地点間に専用の光ファイバを確保することが前提ですが、それが難しい場合は非圧縮IP伝送を使う方法もあります。所定のQoS(Quality of Service)を確保した回線があれば、非圧縮画像を常時送ることも可能です。例えば4K解像度60フレーム毎秒の映像の場合の 必要帯域は、10Gbps未満であります。
どうしても帯域が確保できないというのであれば圧縮することになりますが、汎用ハードウエアを用いることにより、比較的低遅延で伝送することもできます。弊社では小型の圧縮装置をご提供してこのニーズにお応えいたします。
3. 遅延時間の測定ソリューションについて説明します。
当社は低遅延・ゼロ遅延の映像伝送を掲げていますが、「数字にするとどうなんだ」という場面に何度も遭遇し、再現性のある方法として遅延測定ユニットを開発し販売しています。
原理はシンプルで伝送媒体や伝送プロトコルに限定されないものであり、映像機器、伝送機器・方式、5G関連、医療機器開発など多くの納入実績があります。
また、「ビデオカメラを被写体から離れたところにしか置けない」「移動できない」などという場合、測定器の小さなLEDを撮像することは困難であるというご指摘を頂戴しました。これに対応できるようLEDを600球並べた光源を点滅するようにしたLEDアレイユニットを開発しました。
さらに、離れた2地点の片道遅延を測りたい場合、映像伝送系を双方向に使って往復測定をして片道分を算出する方法があります。一方、片道単独で測定したいというご要求もありそれに応えるべく、GPS衛星からの情報を使ってタイミング同期をとるようにしたり、衛星電波を受信できない部屋でも、外部で一旦補足したタイミングをキープするような機器を開発してきました。
1. 光ファイバ専用線
一般に専用線というとビットレートが明示されたイーサネットを前提とした接続が多いですが、ここではさらに自由度のある光ファイバ専用線 (ダークファイバ) もご紹介します。...
続きを読む2. 遠隔地と双方向ゼロ遅延の映像伝送(テレセッション)
地点間を光ファイバを用いて結んだテレセッションは、遠隔地との理想的なコミュニケーションを実現します。すなわち映像伝送による遅延が極端に小さく、臨場感あふれる場の共有が可能...
続きを読む3. 光ファイバの活用:波長多重・光スイッチ・光分配
この頁では光ファイバを活用する波長多重の構成、光のルートを切り換える光スイッチ、光を分ける光分配などについて様々な例をあげます。お客様の接続要求に対するソリューションとして、様々...
続きを読む4. ゼロ遅延モニタリング: 劇場モニタ、遠隔操作
映像伝送がゼロ遅延であるテレセッションは双方向の映像伝送ですが、この片方向だけを使えば遠隔地をモニタリングすることが可能です。遠隔地をモニタする定点カメラ、ライブ映像などの応用が...
続きを読む5. 非圧縮映像のIP伝送
全てを光で伝送し処理するDOPN(ダイナミック光パスネットワーク)を利用する際には、地点間の光ファイバを確保しなければなりません。それによって各種メリットを実現できますが、実際に...
続きを読む6. 遠隔地に低遅延で伝送(圧縮用汎用ハードウエア)
さて、これまで情報圧縮をしない例をご紹介してきましたが、この項では圧縮する方式について述べます。一般に映像情報の圧縮するためには、同一フレーム内の映像処理や、近接するフレーム間の...
続きを読む7. 遅延時間測定
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